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弥生は潮干狩り


4月・・・旧暦弥生の頃は、
1年中でも最も潮の満ち引きの差が大きくて、
満月、新月の前後は大潮となる。
したがって、この頃潮干狩りも盛んになるわけ。

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江戸時代も同じ。
品川、芝浦沖、深川の洲崎、高輪、佃沖など、
二十余町は全面、干潟となる。
早朝に舟を沖まで漕ぎ出し、
朝6時頃から潮は引き始め、正午頃には沖が海底をあらわす。
一面の干潟で、老若男女、ひざ上まで着物をたくし上げ、
いっせいに潮干狩りと相成る。

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ハマグリにアサリ、時にはひらめや小魚が
ばたついている!
「蛤にひらめも混じる大当たり」
とはそんな様子を描いた川柳。
獲った魚介は土産にも、
その場で調理する組もいたり、
うたげはつきものである。


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品川となれば、
潮干狩りと称して遊郭に繰り出す男も多い。
深川の洲崎も明治になってからは、この手が使えた。
「潮干狩り」と称して、洲崎の遊郭へ。
明治22年(1888年)に、根津に東京帝大ができて、
根津にあった岡場所が、この洲崎に移転されたものだ。
ここも大変な人気の場所で、
洲崎弁天を望みながらの風景もよい。




舟には煮炊きの道具が用意され、
女の中には「潮干狩り小袖」といって、
袖丈を極端に短く仕立てた着物を着るものもいる。
てんでに篭を持ち、キャアキャアはしゃぎながら、貝を拾う。
まだ水も冷たい頃だ。
潮風に吹かれ、一日こうして戸外で過ごす。


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ああ、私も潮干狩り、してみたい。
海辺で生まれ育ったのに、潮干狩りの経験がない。
そもそも「潮干狩り」という言葉を聞いたのは、
東京に来てからだった。
津軽で、潮干狩りなんて聞いたことがないもの。


















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by edo-ukiyo-doll | 2009-04-12 21:11 | 江戸歳時記