春はなんと言っても、貝がうまいですねー。
散歩コースの中に、なぜかしっかり
すし屋(当然回転するとこ)が組み込まれていて、
毎週末に顔を出すものだから、すっかり記憶され、
「いつものように、シャリショウすか?」
と聞かれ、 そんなこと言ったことないし、
第一「シャリショウ」って、なんだ? と瞬間、
「うん、ご飯少しにしてね」ってちゃんと答えていた。
やっぱり、食べ物への動物的本能だけは、
働いてるってワケで、
「シャリショウ」に握ってもらった貝のうまいこと。
ツブのコリコリしたの、
ミル貝はちょっとチュウイーだが味がいい、
浦安あたりは今もアオヤギがいい。
アオヤギは鮨に握るより、酢味噌和えのほうがうまい。
ハマグリの潮の椀も取って、
「アワビある?」
今日はちょっと豪勢だ。
ああ、アワビの味!
好みで言えばホタテは、貝柱を四つ切にコロッと切った方が、
ホタテの味がする。
獲りたてのホタテは、ウソみたいに甘い。
東京では、築地から仕入れるような店でなければ、しょうがないか・・・・。
ホタテといえば、わがふるさとの津軽の小村で、
「ホタテの養殖ってもんば、おらだぢもやってみるがァ」
と言い出したのは、一体誰だったのか、
今となってはわからないが、
とにかく始めた。
1回目、失敗。うまく貝が付着しない。
2回目、失敗。貝は付いたが、育たなかった。
3回目・・・、
4回目・・・、
5回目には、あきらめた。やめた。
今でも、私の村の「シジミホタテ」といえば、
そこらへんでは有名なのである。
そう、ホタテは何年たっても、
シジミ貝ほどの大きさにしか成長しなかったのだ。
どうやら、海がきれい過ぎて、貝には適さなかったらしい。
ところで、私はその村の「ウニの養殖権」を持っている。
父から譲り受けたのだ。
そんなものを私にくれるわけを聞いたが、
父はあいまいな返事しかしなかった。
ははあ~ん、ホタテの二の舞。
決まってる。
その権利書、もう、紙切れ同然なのだろう。
立ち上がれ、村民よ!
なんとしてでも、ウニの養殖を成功させて、
私を億万長者、いや、夢はでっかく、
ビリオネアにしておくれー!
やっぱり、なんとな~く、ヘンな村なのである。