近年、また少しゆかたブームになって、
夏祭りや花火大会などは、ゆかた姿をよく見かけます。
着物が見直され、手始めにゆかたを・・・というのは、
着物に親しむには、とてもよい方法ですね。
右のゆかたは、
「源氏香」と「小葵」の文様で、
「浮線綾(ふせんりょう)」の帯が
華やかですね。
かんざしは猫に手毬。
くわえ楊枝で、ちょっと伝法な女です。
本来、ゆかたはせいぜい、ホームウェアなので、外出着ではないのですけれど、
花火見物や、ちょっとしたおでかけには、ゆかたを着ていけます。
夏の湯上りに、シャキッと糊のきいたゆかたを着ますと、
祭囃子など聞こえ、宵宮に出かけてみたくなったりしますね。
左は、江戸時代の末頃に流行した
鳥のシルエットを描いたもの。
現代の目で見ますと、
とても奇抜。
こんな柄が、とっても
流行しました。
右は歌麿の描く、
引き札(広告)のためのゆかた。
「手綱染め」という、江戸時代中期に、
歌舞伎の衣装から、流行した柄です。
ゆかたは、平安時代頃に、当時の入浴は蒸し風呂でしたので、
高貴な方々の入浴の際には、
湯帷子(ゆかたびら)という
麻の単衣(1枚仕立ての着物)をまとって入りました。
これが江戸時代に入って、木綿が流通しますと、
木綿のゆかたが作られ、
湯上りの汗取りとして、湯屋に持っていくようになり、
さらに、湯上りに着るようになり、
それがいつしかホームウエアになりました。
右のゆかたは、孟宗竹の文様で、
縞模様のアレンジしたもの、と考えられます。
おなじ縦縞でも、こんな柄は、大胆なので、ほっそり見えますよ!
襟と袖口には、紅絹をつけました。
ゆかたが着られれば、着物はすぐに着られるようになります。
ゆかたではなく、単衣はちゃんとした着物ですから、
下着もそれなりにつけなければなりませんが、
ゆかたは麻のシャリ感のあるスリップ式にすると、
とても涼しく着られますよ。
男のゆかた姿も、いいですね!
ゆかたを着てるだけで、簡単に「粋」なんて言ってはいけません。
柄の選び方や、着こなしで、初めて、カッコよくなります。
格子も、染でできるようになりますと、
格子のゆかたが多くなりました。
舟遊びの客は、菊花入り鱗合わせ。
船頭は、こうもりの図柄に、
「蝙蝠」の文字を散らしています。
これも、芝居の文様で、
団十郎家ゆかりのものです。
この絵は、役者絵ですね。
女性のゆかたは今は1万円程度で、かわいいのが買えたりします。
2,980円で、下駄と手提げの3点セットもみつけましたよ!
着物が着てみたいな~、なんて思っておいでの方も、
こんなところから始めてもじゅうぶんです。