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椿に思いをよせて



ちかごろ、とみに椿を好もしく思うようになった。
いつもなら通り過ぎてしまう街路樹としての椿が、
突然目に入ってきたのだ。


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淡いピンクの柔らかな曲線、ほんのわずかな刺激でも
あとがついてしまいそうな繊細な花びら。
濃い緑の葉の群生の中に、はかない光のように
そっと咲いている。
何よりもあの柔肌のような花の肌感がたまらない。

山茶花のあとに、椿が今を盛りと次々と花開く。
山茶花と椿・・・・
区別がつけがたいが、
花びらがはらはらと落ちるのは山茶花、
花ごとぽたりと落ちるのが椿・・・
そんな風に教わったが、そうのようだ。




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椿は中国や日本が原産とか。
学名はカメリア・ジャポニカ・リンネ。
椿が登場する初めての書物は『日本書紀』。
万葉の頃には、
紫染の際に椿の灰が使われた。



安土桃山時代には茶の湯ブームに伴って、
「侘」「寂」の世界にイメージが適合したため、
茶花として好まれるようになった。
又長寿や吉祥を祈願して、寺社への寄進が多くなり、
今も寺社の周囲には椿が多いのだとか。
椿には霊力があると信じられていたらしい。


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          上は幕末に描かれた椿



江戸時代になると、2代将軍秀忠が、こよなく花を愛でた人で、
とりわけ椿を好み各地から取り寄せて、
吹き上げ花壇に植えさせて愛でたそうだ。
江戸時代にに描かれた絵巻『百椿図(ひゃくちんず)』は、
狩野山楽によるものとされるが、まあ、その美しいこと!




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          江戸の椿山は、多くの椿の花見客を呼んだ。



「椿は首が落ちるから武士は忌み嫌らう」
といわれるようになったのは、1789年の寛政の改革以降だ。
17~18世紀、江戸は椿の全盛で、
珍種の売買、投機が行われたが、
改革ではそれも弾圧を受け、幕府の尻馬に乗って、
流言飛語した輩が後を絶たなかったためと、物の本にある。



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広重描くところのぼらと椿。
どちらもこの季節のもの。




シーボルトはじめ、多くの外国人が、海外へ椿を持ち出した。
おかげで19世紀、ヨーロッパは椿の大ブレークとなる。
1848年、アレクサンドル・デュマは小説『椿姫』を書き、
その5年後にベルディーが歌劇につくり、
今も世界中で公演されることとなった。

冷たい雨が続いていた。
雨にぬれてそこだけが、やわらかな光を放つように、
淡いピンクの椿が、いとおしい。







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by edo-ukiyo-doll | 2010-04-19 10:10 | 江戸の園芸 | Comments(4)
Commented by tukitodoraneko at 2010-04-23 20:45
はじめまして
同じEXCITEで「江戸 東京・ときどきロンドン」というブログをやっていますHN月猫というものです
以前から「江戸浮世人形」おみかけしたことはあったのですが
今日はじめて検索で このブログを見つけました
私は 江戸検定1級を取得して 江戸に関するブログを書いています
もしよろしければ 私のブログでこちらのお人形の紹介をさせていただけたらうれしいのですが・・・
ほとんどが 小学館の江戸検定のHPから来る「江戸好き」ばかりが集まったブログです
どうぞ ご検討ください
Commented by edo-ukiyo-doll at 2010-04-24 11:57 x
月猫さま。
コメントをありがとうございました。
拙作をご覧いただいていたとは、感激です。ありがとうございます。
ブログを拝見いたしました。大変にお詳しい専門的な内容でいらっしゃいますね。
当方のブログは一介の人形師が制作のために調べた過程で、おもしろいなあと思ったことを書いているだけで、
お恥ずかしうございます。
拙作「江戸浮世人形」をご紹介いただけるのでしたら、
なにとぞ宜しくお願いいたします。
今後とも宜しくお願い申し上げます
Commented by tukitodoraneko at 2010-04-24 16:48
早速 承諾頂き ありがとうございます
とても うれしいです
来週 始めにはきちんとした記事にして 紹介させていただきたいと思います
江戸好きの人たちばかりですので きっと喜んでもらえると思います
記事が出ましたら 一度チェックお願いします
こちらこそ これから どうぞよろしくお願い申し上げます
Commented by edo-ukiyo-doll at 2010-04-25 07:39 x
月猫さま。
ありがとうございます。
かしこまりました。
では宜しくお願いいたします。