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「時そば」


先日久しぶりに、落語を聞きに参りました。
やっぱり「生」はいいですね!
高座で、噺家さんの性格や情熱までわかりますものね。
「そば清」というのをうかがいまして、
これはそば屋にそば好きの客がいて、あまりによく食べるので
ほかの客が10枚食べたら1両あげよう・・・・。
簡単に平らげ、翌日は20枚に、また後日は・・・・・とエスカレートしていき、
まあ、そのあとは・・・・・
想像を絶するお話ですので、ナ・イ・ショ。


でもって、前回の個展で浮世絵にはないオリジナルの「時そば」をつくりました。
もちろん、そばの屋台もじっくり研究して、
時代考証に対応しています。




「時そば」_f0186852_14163222.jpg

穀物としてのそばは、ずいぶん古くからあったが、
現代のように粉をこねて細く切って食べるようになったのは、江戸時代の初期。
やがて「そば切り」といって、庶民に普及していき、
江戸にあっては担いで売りにくる夜そば売りは、「夜鷹そば」と呼ばれ、
貧しい夜の女たちに一時の温かさを与えもした。
だが衛生面では不評で、これをこぎれいにして受けたのが「風鈴そば」。
器や箸きれいに洗い、夜間なので売り声なく風鈴の音でそれとわかる(幕末には売り声を出していたらしいが・・・)。

そばの値段は幕末まで、かけそばは十六文と決まっていたが、
それをネタにしたのが、おなじみの落語「時そば」である。
客はしきりとそば売りをほめちぎるが、
最後は「おい親父、今なんどきだ?」「へい、九つで」
・・・・とうまいこと少なく払う。
それを見ていた男、後日同じ手を使うが、なんと、多くはらうハメに・・・・。

(解説文は『江戸浮世人形図録』からとっています)







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by edo-ukiyo-doll | 2010-09-30 14:17 | 「江戸浮世人形」