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江戸の珍商売「耳の垢取り」。イヤーエステ?

3月3日は「耳の日」だったようで、
耳なんて気にしてない・・・・・・・のも若いうち。
だんだん気になってきますよ、そのうちね(笑)。

でもって、最近、テレビで耳に止まったのは、「イヤーエステ」。
なんじゃいと思いましたらば、耳かきをしてくれるという。
人にやってもらうのは、コワイのでイヤだけれど、
訓練をつんだ耳かきエステティシャンなら、安心でしょう。
2005年に、厚生省が、耳垢の除去は医療行為にあたらず・・・
と改定したことにより、理髪店以外でもできるようになったわけですね。

誰でも行ってよろしいということで、エステ以外でも、
浴衣を着て、耳かきと全身マッサージをしてくれる
「耳かきカフェ」なるものや、
その他いろいろあるのだとか・・・・。
エステティック・サロンなどでは、
70分で、耳掃除だけでなく、耳の中の産毛そり、
綿棒で耳の中のツボマッサージなど・・・・
「耳いすと」にはたまらないかも。
70分8400円は、エステとすれば、こんなところでしょうか?
お客さんの6割は女性だそうです。

「耳いすと」・・・・勝手に命名、「耳かきしてもらうのが好きな人」の意・・・・
は、殿方に多いようです。
お母さんのひざが懐かしいのでしょうか?
なんだか、ほっこりした絵が浮かんできますね。

江戸の珍商売「耳の垢取り」。イヤーエステ?_f0186852_1716138.jpg


さて、江戸時代にもエステではないけれど、
「耳の垢取り」という職業がありました。
かの山東京伝が『骨董集』という本に、貞享(1684~88年)ころ、
江戸の神田紺屋町三丁目に「長官」という耳垢取り屋がいたと
書いていて、それを基に歌川国貞が描いています。
上の絵は、国貞の画を写したものから、
さらに描き起したものですが、「唐人」の格好をしています。




江戸時代には、「珍商売」が多かったのですけれど、
その多くは、コスチュームに凝っています。
やっぱり、目立つことが大切だったのでしょうか。
江戸の耳垢取りは唐人スタイルが多く、
京の辻つじにいた耳垢取りは、
「紅毛人(オランダ人)」のスタイルが多かったと、
モノの本にあります。



江戸の珍商売「耳の垢取り」。イヤーエステ?_f0186852_17121446.jpg













「桃太郎」・・・岡山でいただきました。
観光地でお土産によく耳かきを売ってますね?
コレクターも多いようです。



江戸の珍商売「耳の垢取り」。イヤーエステ?_f0186852_17124132.jpg
           
 


       

        こんな形のもあります。
             




耳の日はすぎたけれど、お部屋の掃除のついでに、耳のお掃除もしましょうか。
ところが耳鼻科の医師の中には、耳掃除はしてはいけない、
そのままにしていれば自然にポロリと落ちてくる・・・・
というご意見の人がいます。
一方、耳垢がたまりすぎると、「耳垢栓塞」という症状になり、
難聴と思い込んで来院する人がけっこういるとか。
耳鼻咽喉科で待ちながら診療をみてますと、「耳垢栓塞」と診断されたらしく、
取っていただいてほっとしたお顔で帰る方、けっこう多いですよ~。

やっぱり適度に取ったほうがいいのでしょうね。
綿棒を使うと、耳垢を奥へと押し込むのでよくないとも言われます。
ご心配な方は、耳鼻科へおでかけあそばせ。










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by edo-ukiyo-doll | 2011-03-09 17:22 | 江戸ぐらし