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江戸の下水、どないなってますの?

きょう9月10日は、下水道の日だそうです。
以前、江戸の上水道のことをお読みくださった方から、
「江戸の下水道はどんなだったの?」とご質問いただきましたので、
下水に関してかきますね。

パリに環状の大下水道が作られたのは1740年、
イギリスでは1863年に下水道が作られました。
日本ではというと、明治30年(1900年)に東京・神田に作られたのが最初です。
江戸(東京)に西洋のような下水道ができたのは、遅かったのです。
なぜか?
江戸では、し尿と、生活排水や雨水は、完全に分けて処理され、
しかも下水に流される水はあまり汚れていなかったので、
西洋のような暗渠にする必要性がなかったのです。

江戸の下水、どないなってますの?_f0186852_1905477.jpg



  この図の奥の方(人物の向こう、
  家の手前)に、
  鍵形に作られている溝が下水道。






江戸には下水道が完備されていました。
主に生活排水と雨水を流すための下水で、
ほとんどは開渠(地中に管を埋めるのでなく、地上に溝を掘ってオープンになってる形)です。
パリやロンドンでは、当時は城や館にはトイレがありましたが、
庶民はおまるにして、「捨てるよ~!」みたいな大声かけ、通行人も「いいよ~!」と応えたら、
上からザッバ~ンと捨てられたようです。
糞尿まみれの通り・・・、日本では考えられませんね。
江戸などでは肥料に使うので、近在のお百姓さんが買いに来ます。
長屋の大家さんはそれが大きな収入にもなります。
それで、下水にし尿が入ることがありません。

江戸の下水、どないなってますの?_f0186852_1931790.jpg




             右の挿絵には、見世の前の地面に、
              石組みで作られた溝があります。
        (溝と書いて「どぶ」と読むことが多いです)。




江戸は水が豊富ではなかったので、井戸水を大切に使いきります。
米のとぎ汁は鉢植えにかけたり、洗濯も洗剤などないので、そこらへんにまけば、
土にしみこんでいきます。
お風呂も薪が高いし、火の用心もあるし、水は大切なので、
個人で風呂を持つのは、よほどのお金持ち。
湯屋はたくさんありますから、毎日のように湯に入り清潔です。
というわけで、下水に流れていく生活排水も、あまり汚れてはいないので、
堀や川に流しています。

江戸の下水、どないなってますの?_f0186852_1971042.jpg                  右の画のように屋根から
                 落ちる雨を集めて流すのは
                 「雨落下水」といいます。











「割下水(わりげすい)」は、通りの中央部にある溝で、
水はけのために作られています。
「本所割下水」。
鬼平こと長谷川平蔵の実家があったのでしたっけ。
本所は武家地ですが、
元は田んぼだったので水が上がりやすく、
割り下水が作られたのだとか。

下水に関してはまだたくさんお話がありますが、またいつか。








 

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by edo-ukiyo-doll | 2011-09-10 15:24 | 江戸ぐらし