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ほととぎす聴く

江戸では、桜が終わると藤が咲き、
鰹とほととぎすを心待ちにします。
立夏を過ぎるあたりからほととぎすが鳴き始めると、
物の本にもあり、浮世絵にもたくさん描かれています。


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「ホ・ジュン」という韓国時代ドラマをご存知の方もおいででしょうけれど、
それにはイェジンという、品のよいうつくしいお嬢さん(実は女医)が登場します。
故あって、彼女が宮廷を去ろうと決めた夜、池のほとりに座り、
「ああ、ホトトギスの啼き声が、心にしみるわ・・・」
と空を見上げるのです。
そのシーンがあまりに美しく印象的で、ほととぎすの声を聴いてみたくなりました。

すると先日少し郊外で、暮れ方の空を甲高い声がし、
それがほととぎすと知りました。
浮世絵ではたくさん知っていますのに、初めて声を聴いたので感激でした。
朝鮮半島の古の都でも、江戸でも、ほととぎすの鳴き声が聴こえていたのですね。
また一歩、江戸に近づいた気がしました。



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ほととぎすは初夏を告げる鳥で、
南アジアから渡ってきます。
鳩より少し小さいかもしれません。
かつて東北では
「ほととぎすが鳴いたら、
田植えをせよ」と言われたとか。



「杜鵑」「時鳥」「不如帰」「子規」など、たくさんの表記がありますが、
江戸では「郭公」をほととぎすとも読みました。
確かにほととぎすはカッコウ目カッコウ科の鳥ですが、
啼き声はぜんぜん違います。

小石川白山はことわざに、
「この国でほととぎすはこの地から啼き始める」といわれることから、
ここを「初音の里」とも言われます。
また高田、雑司ヶ谷、御茶ノ水、神田社、谷中などなど、
江戸中で見かけますが、とりわけ木々のゆたかな西の方に多くいたようです。


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「聞いたかと問へば食ふたかと答へ」
とは、ほととぎすの声はもう聴いたかい? ときけば、
鰹はもう食ったのかよお、と答えが返ってくる。
初鰹に狂乱の態の江戸っ子ですが、
ほととぎすにもずいぶんな思い入れがあるのですね。


でも鰹もほととぎすも時がたち、
珍しくもなくなってくると、
ほととぎすは、
「江戸の山の手にはほととぎすが多くて、
朝からやまずなき暮らして、大変にうるさい。
なかない日もあればいいのに!」
など言われます。

「五月雨と一緒に飽きる時鳥(ほととぎす)」

なるほどね。










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by edo-ukiyo-doll | 2012-06-03 13:31 | 江戸歳時記 | Comments(0)