涼を運ぶ江戸のアイテム

江戸のころの涼を呼ぶ工夫のひとつに、
こんなものがあります。
画の左下に描かれた緑の置物。

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水盤部分を拡大しています。
稗のなかに笠と蓑をつけ、弓矢を構えた狩人。
向こうに鶴がいます。金魚もいますね!


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現代ではこのようなものは、「水盤」と呼ぶようですが、
江戸のころには「稗蒔(ひえまき)」と呼んでいます。
平たい陶磁器の器に、みどりの苗のようなものを植えてありますね。


この草が稗で、夏になりますと
「ひえまァき~、ひえまァき~」という呼び声で売りにきます。
稗蒔売りは、天秤棒に四つ手にした台を提げ、
4,5センチに育った稗を入れた水盤を載せて、町中を流します。
この水盤は、小さいのなら5寸(約15センチ)から、
大きいのでは1尺(約30センチ)のもので、
これは田んぼや水辺の葦などに見立てたものですから、
ここに小さな橋や、笠に蓑をまとった小さな人形、
鶴と狩人などの今で言えばフィギュアを置いたりしています。


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上の画に見えるのは、上から水を入れると
噴水のように水が吹き上がるもので、
「水からくり」といいます。

「稗蒔のわづか四文の青あらし」
売りに来る稗蒔は小さいのだと四文(80~120円ほど)で、
青々と草をゆすり吹き渡る初夏の風を思わせるのでしょう。


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水からくりには、こんな大がかりなものもあります。
上の瓶に水を注ぐと、水圧でしたまで勢いよくきて、
円錐形の部分から引きあがる簡単な仕組み。
大人の「夏の自由研究」に、身の回りにあるものを利用して、
「水からくり」作ってみませんか?
江戸の涼を呼ぶ水盤や水からくり、
涼しげでしかもたのしい! 家族で楽しめますね。




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一番上の画を参考に制作した「カニさん」。
水盤も狩人と鶴を作って入れました








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by edo-ukiyo-doll | 2012-08-19 08:54 | 江戸歳時記 | Comments(0)

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