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江戸の朝 長屋の朝ごはん

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上の画は「あさり売り」


江戸の朝は日本橋から始まります。
♪お江戸日本橋七つ立ち~♪
の歌にあるように、明けの七つ(朝4時頃)大名行列や旅人たちが出立し、
日本橋の魚河岸が活気を帯びてきます。
七つはまだ夜明け前です。
この時刻、夜通し営業していた夜蕎麦屋(江戸では風鈴蕎麦とか夜鷹蕎麦といいます)が、
店じまいをして、帰途につくころです。

そして各町内の木戸が開くのは明け六つ(朝6時頃)。
夜が明ける時刻が明け六つですから、このころから
湯屋(銭湯)の男湯がにぎわいだします。
なんたって、廓(くるわ:遊郭のこと)帰りや、商家のご隠居、道楽者などが、
朝湯にどっと繰り出します。

長屋の木戸が開くと聞こえてくるのは、浅利売り、納豆売りの声です。
「明星(金星)が入ると納豆売りが来る」
おかみさんたちも、独身でマメな男も、飯を炊き、おみお付けを作ります。
この時間帯、長屋の井戸端はにぎわいます。
口々に「おはよう」の挨拶もそこそこ、洗面と房楊枝での歯磨きに、おおわらわ。

江戸では、朝に一日分の飯を炊き、木の「おひつ」に移しておきます。
さて、長屋の朝ごはん。
銀しゃり(白飯)におみおつけ、これにお香々(漬物)です。
たったこれだけ? と思うかもしれませんね。
これは栄養面でも優れた朝ごはんでした。
おみおつけ・・・・味噌汁のことです。
御御御付と書きます。
すごい字でしょ? 御が三つも!
それくらい味噌汁は貴重な、ありがたい食べ物(スープ)だったのです。
江戸時代に入っても、味噌は貴重品で、庶民が口にできるようになったのは、
江戸中期頃からと思われます。
その味噌を使った貴重な汁もの。
江戸のおみおつけには、具は必ず2種類入ります。

江戸時代も後期の文政期ころになりますと、
納豆売りは「叩き納豆」というものを売りに来ます。
これは細かくした納豆に、切った豆腐や菜、それに薬味まで入れたもので、
鍋に湯を沸かし、そこに放り込めば、栄養価の高い納豆汁の出来上がり。

長屋では朝に限らず、実にさまざまな物売りがやってまいりまして、
なかでも惣菜売りは種類も豊富で、なんと言っても新鮮な食材、もちろん、無添加!
おいしかったらしいですよ。
独身男性が多かったことや、長屋のおかみさんたちは仕事を持っている人が多かったので、
移動コンビニのような物売りは、実に重宝だったのです。




















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by edo-ukiyo-doll | 2008-09-16 20:31 | 江戸の食べ物