「金花糖」って聞いたことあります?
ない・・・、
じゃあ、有平糖(ありへいとう)ならあるかもしれませんね。
どっちも砂糖菓子ではありますが、
有平糖は飴(あめ)を入れて作るので、飴っぽいです。
今でも茶の湯のお菓子によく使われます。
金花糖は砂糖水を煮詰めて、白くなるまでひたすらかき混ぜ、
これを桜の木型に流し、中を空洞に作るのだそうです。
さめて固まったら取り出して彩色します。
まだ砂糖が貴重だったので、少量でもいかに大きく見せるか、
ということで空洞に作ったのだとか。
有平糖や金花糖は、高価なもてなしのお菓子だったんですね。
現代にも残る日本的なお菓子は、多くのものが京都で始まり、
江戸に伝えられました。
有平糖や金花糖もまたしかり。
江戸研究の第一のテクストともいうべき『守貞漫稿』には、
京都に始まり、嘉永年間(1848~53年)に江戸に伝えられた、
というようなことが書かれています。
上の浮世絵は、三代豊国画の「誂織当世縞」より、
金魚の金花糖が描かれたもの。
金花糖は花や果物など、いろいろなものをかたどって、
色鮮やかに彩色されています。
右は浮世絵としては珍しいたて継ぎのものですが、
これも三代豊国による画です。
芥子坊の頭の子が手にしているのが、江戸時代の金花糖。