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カテゴリ:江戸の園芸( 11 )

秋の七草



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「秋の七草」

上の画は歌川広重作『冨士三十六景』中「甲斐 大月の原」。すすき、桔梗に小菊、おみなえしなど秋の花の中に、すっくりと立つ冨士は、もう雪を抱いているのだろうか・・・。


「萩が花尾花葛花撫子の花
         女郎花また藤袴朝顔の花」
と詠んだのは、山上憶良です。
そしてここには「秋の七草」が読み込まれていて、
この歌さえ覚えれば、ちょっとした物知りに!(かな?)
萩は長い枝に小さな薄紫の花をつけて、風に揺れる風情がいかにも秋。
尾花とはススキのこと。あのふさふさした狐の尾っぽのような穂は花です。
その穂の部分で作ったミミズクで有名なのは雑司ケ谷で、
今でも名産品になっています。

葛はちょっと郊外の山野にまいりますと、
あらゆるものに絡み付いて覆い尽くしています。
この根から取れるのが、正真正銘の葛粉です。花はピンクで小さな可憐な花です。
撫子は英語でピンク。そう、色の名前、「ピンク」の語源となっている花です。
女郎花(おみなえし)は、1メートルもの高さになり、
山野にはたくさん自生しています。黄色い小さな花を平たい状態につけます。
この根も漢方薬では乾燥させ、利尿剤として使われます。

藤袴は今ではあまりなじみのない花ですね。
高さが1メートルくらいになりまして、薄紫の房状の花をつけます。
最後の朝顔の花、というのが少々クセモノでございまして、
じつはこれ、桔梗のことを指す、というのが定説になっています。

この秋の七草は、春の七草が漢方薬として多く遣われるのに対し、
その美しさから、図柄として愛されてきました。
小袖や工芸品、襖絵や屏風絵として今も数多く残っています。

都会にお住まいでも、花屋さんの店先で、ススキや桔梗、女郎花、撫子などが見られます。
もっと自然の中でお住まいなら、
七草以外にもたくさんの種類の野菊や
マツムシソウにリンドウなど、さまざまな花に出会えます。

ほんの一輪でもお部屋の中にあると、
グンと秋が近づいているような気がしますね。
「目にはさやかに見えねども・・・」
秋はもう、ほら、そこまで来ています。







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by edo-ukiyo-doll | 2008-09-17 15:29 | 江戸の園芸 | Comments(2)