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蚊帳、この不思議空間。


今年の盛夏は、一体何処へ・・・・と思うほどです。
でも、蚊だけはしっかり飛んでいます!
おやすみのときには、蚊取りマットなんか使いますが、
ちょっと昔は、蚊取り線香に蚊帳(かや)でした。

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蚊帳・・・
といってもご存じない方も多いでしょう。
『となりのトトロ』、ごらんになりました?
あのなかでサツキとメイが、
蚊帳の中から覗いているシーン、
があるというのですが、
私は覚えていないのです。
ようは、就寝時に
網目の大きな四角いものを、
部屋の四隅に端っこを吊り下げて、
お布団がくる部分を覆い、
蚊が侵入しないようにするものです。
これらの浮世絵をごらんくだされば、
ああ、これ! と思われるでしょう。



蚊帳の歴史は古く、天平時代に、唐から日本に伝わり、
高貴の身分の人々だけが使っていましたが、
次第に貴族に普及しました。
やがて時代は江戸時代に入りますと、
近江商人の西川甚五郎という人(ふとんの西川の2代目)が、
麻糸で織った蚊帳を、萌黄色に染め、紅布をつけた
「近江蚊帳」を発売し、爆発的に売れ、
以来、このデザインは今も蚊帳の
オーソドックスなものとして残っています。

蚊帳の中は、何か世界が違って見えたものでした。
くるまれてるような、守られているような・・・。
蚊帳に入るときは、蚊帳のすそを両手でつかんで軽く振って、
サッと入ります。

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上の浮世絵左は、朝になり、蚊帳をはずしたところ。
天井には虫かごをつるし、虫の音を聞きながら。
江戸時代には、耳からも涼感を得ていたのです。
ふとんがわりに、寝茣蓙(ねござ)を使っていますが、
これも涼しく眠るアイテムのひとつです。



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こちらの画は、「幌蚊帳」と呼ばれる据え置き型のもの。
枕屏風にかけられた子供のほうそうよけの赤い着物が、
母親の愛情を感じさせます。


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上は「蚊焼き」といって、蚊帳の中に入ってしまった蚊を、
紙燭(油をしみこませた点火用のこより)で、焼いているところ。
紙燭の先に注意。
ちゃんと蚊がいます!

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それにしても、
これらの浮世絵の網目のなんど細かなこと!
これが木版画とは思えないほどです。
蚊帳の網目を彫るのは、
彫り師の腕の見せどころだったでしょうね。
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by edo-ukiyo-doll | 2009-08-08 17:19 | 江戸歳時記 | Comments(0)

煙、もうもうの蚊やり。

日本の夏、緊張の夏(!)
恋の季節だけでなく、蚊の季節ですから。
「プ~~~~ン」「パチン!」
て、「どこぶってんだよ!」とケンカにもなります。

さて江戸は水の都だっただけに、蚊の都でもありました。
ブタの蚊やりに蚊取り線香をつけて・・・
残念ながら、蚊取り線香は江戸時代にはまだありません。
あれは明治20年頃、
アメリカから上山英一郎(大日本除虫菊の創立者)が、
除虫菊の種を仕入れ、栽培して初めて蚊取り線香ができたのでした。

では江戸時代には、どうやって蚊を退治していたのでしょう?
植物をいぶし、その煙やにおいで追い払うだけでした。
かやの木や、そのおが屑、ぬか、松葉、ヨモギ、杉、松の皮などを、
炭でひたすらいぶしますから、その煙いこと!
って、私は体験したわけではありません(笑)
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               でも右の浮世絵をごらんください。
               明和(1764~71年)期の蚊いぶしのシーン。
               まだ陶器の蚊やりではなく、
               火鉢でいぶしています。

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    こちらは、幕末に近い時代の蚊やり。
    煙がものすごい!
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            これもおなじ頃の浮世絵です。
            どんなに煙かったか、画からもわかりますね。


蚊やりは陶製で、お皿の上に松葉などをいぶし、
それにいくつも穴のあいた円筒形や、球体状の覆いをかけます。
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by edo-ukiyo-doll | 2009-08-06 23:37 | 江戸歳時記 | Comments(0)

越すに越されぬ・・・・・・・・川越し

江戸時代の旅で、大変だったことの一つに、
橋も、渡し舟もない川を渡らなければならないことがあります。
しかも深みもあるので、旅人が一人では歩いて渡ることができません。
そこで「川越人足(かわごしにんそく)」という、川を渡してくれる人々がいました。
旅人は川越人足の肩車か、輦台(れんだい)で川を越えることになります。


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これは、府中の阿部川の川越の様子です。
女の3人旅に、供の男がついています。
手前の女は肩車、真ん中の女は駕籠ごと「平輦台(ひられんだい)」に乗り、
向こうの女は平輦台に、じかに乗っています。
対岸から荷を積んだ馬が、人足にくつわを取られて渡っています。



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相撲取りの川越しは、人足が多く要ります。
四つ手駕籠からはみ出し加減の関取の駕籠は、人足4人で担いでいます。



♪箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川~♪
というのをお聴きになったことがおありかと思います。
東海道五十三次で、駿河(するが)国と遠江(とおとうみ)国の間の大井川は、
川幅が1,3キロもある上に流れが速く、明治時代になるまで、橋が架けられませんでした。
幕府の政策もありましたが、人足の反対もありましたし、
架橋の技術の難しさゆえだったといわれています。


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さて右は大井川の川越風景。
参勤交代の大名行列が、
肩車や輦台で対岸に向かいます。



川越をするには、川会所で川札(チケット)を買い、
決められた枚数を人足に渡し、人足は受け取った川札を髷(まげ)に結んで、
川を渡ったら札場で換金します。
水量などで川札の値段は毎日変動します。

雨が降って水かさが増し、一定量を超えると「川留め」といって、
川越が禁止になり、渡れなくなります。
大名行列が重なったりしたら、もう大変な騒ぎです。
一般の旅人も、旅籠(はたご)代はかさむし、日程は狂うし、
退屈だし、きつい旅になりますが、
近くの金谷や島田宿は、大いに潤ったのです。



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現代からしたら、こんなに旅行が大変だったの!
と思われるかもしれませんけれど、
江戸人と、現代人の感覚とは全く違います。
駕籠で旅するなんて、きっと新幹線か、飛行機での旅・・・
くらいの感覚かもしれませんね。
それに、時間はた~~~~ぷり、ありました。
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by edo-ukiyo-doll | 2009-08-02 23:03 | 江戸の旅 | Comments(0)


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