<   2012年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

蓮池や買わず飛び込む・・・・・・・・

ロンドン・オリンピックでは、
やや中心にあるハイド・パークのサーペンタインの池で
トライアスロンの水泳をやるそうで。
あそこでほんとに泳げるのだろうか・・・
と???の人も多いようですが、
一方、東京の中心から少しハズレの、かつては忍ヶ岡と呼ばれたそばの不忍池。
ここではまず水泳は無理でしょうが、
江戸のころには、東都第一の蓮池といわれています。


f0186852_1522292.jpg



蓮の花見頃は、小暑のあと20日頃と言われますので、
先週末に行ってみました~。
が、まだ3分咲き。

f0186852_15273936.jpgf0186852_1528990.jpg

























それでもやっぱり美しかったですよ。
8月にはいって少したってからは、もっときれいですね。



不忍池の広さは見わたし3,4丁(300~400メートル強)、長さ5,7丁というのですが、
今は、かつては島として築かれた弁才天のある島も、
すっかり陸地になっているので、池がどれほど小さくなったかを感じます。

江戸の頃は隣接する動物園もなかったですし、
周囲のビルヂング群もなかったので、それはそれはみどりの只中。
黎明(未明~曙の頃)には、蓮の花が開くのをみようと、
大いににぎわいました。
この時間にはことさら匂い芳しく、
紅白の蓮の花が朝日に映える光景は、「たとへんにもの無し」だそうです。



f0186852_8533913.jpg











かつて、この界隈には料理屋が多く、広重なども描いています。
このような料理屋では、蓮飯が名物で、
蓮の若い葉を刻んで混ぜた飯を、ちょっと塩を入れて炊き、
大きな蓮の葉で、炊きあがった飯をくるんで少し置いてからだすと、
さぞや香りも良かったのでしょう。


f0186852_8563645.jpg
上の画は蓮の葉を採取している風景

蓮の花の香りの高さは、「蓮茗(はすちゃ)」としても、
のまれているようです。
作り方はちょっと大変。
蓮の花の中に質の良い、濃く入れたお茶を注ぎ、花びらを寄せて、
コヨリで花の先を結びます。
何枚も重なり合っているので、お茶はこぼれなくなります。(と書いてある)
それを、エイヤー! とばかりに逆さにしたら、
しばらくおきます。
今度は薄く入れたお茶を茶碗についで、そこに蓮の花のお茶を少しずついれて飲むと、
匂い高く、心すがすがしくなり、精神を養うそうです。
どなたかやってみたら、ご一報ください!

暑くてたまらないこんな日に、
蓮茗なんぞ飲んでみたいものですなあ。




f0186852_1616843.jpg
[PR]
by edo-ukiyo-doll | 2012-07-31 16:19 | 江戸歳時記 | Comments(0)

江戸にいながら登る富士。

最近、富士登山者の2人に1人は女性だそうで、
「山女(やまおんな)」とは昔の言い方、いまは「山ガール」と言うそうな。

さて、富士山といえば、江戸時代の富士登山の賑わいは、
凄まじいとさえ言えるもので、
信仰心がありますから、誰しも一生に一度は登っておきたいわけです。
でも大変にお金がかかりますから、大勢で「講」という団体を作って、
ちょっとずつお金を積み立て、毎年、順繰りに富士山へ登拝できるという仕組みです。


ですが、登れない人のほうが多いので、
なんとかして富士のご利益を得られないものか・・・、
と考え出されたのが、見立ての富士。
江戸人は、実にこの「見立て」がうまい!
富士山から溶岩を持ち帰ってもらい、それで江戸市中に富士山をつくっちゃいました~。


f0186852_2255472.jpgこれが、あちらこちらにできて、
これを「新富士」とか
後には「富士塚」などと呼んで、
旧暦5月28日の夜から、
6月朔日にかけて参詣に行きます。
今年なら、新暦7月19日、昨日になります。

人工の小さな富士であっても、
お参りの前に家で線香を立てて捧げてから、
新富士へと出かけます。
        
        右の画は広重の描く「目黒元不二」。
         桜のころ、花を眺める人々。向こうには本物の富士。




駒込、深川八幡、鉄砲洲稲荷、浅草埋堀の砂利場、高田戸塚村、
茅場町天満宮、目黒行人坂などにあります。
現在でも、残っているところがあるので、実際に行ってみるのも江戸気分。


なかでも、駒込の冨士は、「一冨士 二鷹 三茄子」というのは駒込のことだとも言われ、
ここが新富士の元祖とも言われています。
駒込の「お富士さん」は、六義園の近く、富士神社の境内に現在しています。
下の図が、駒込のお富士さん。
f0186852_2291034.jpg
 

江戸の人々は、朝早くに富士に詣でますと、縁起物の麦藁細工の蛇を買います。
これは火除けのお守りですから、少しずつ形は変わりましたが、今も売っています。

f0186852_16212559.jpg

f0186852_1621462.jpg

f0186852_16215995.jpg
上の駒込のお富士さんの図にも、3人、麦わらの蛇を持っています










f0186852_2293347.jpgf0186852_2295482.jpg
 





  右の美人画は、英泉画描く美人画。
   この美人の左上のコマ絵には高田の富士。
   (コマ絵を拡大したのが左)
   ちょっと誇張していますが、
   実際にはもっと低いようです



牛込の高田富士は、朱楽菅江の
安永8年刊の『大抵御覧』では、
今戸の料亭や三叉中州と並んで、
江戸の新三景のひとつになっています。

安永年間に、
馬場下町の長四郎という人が、
高田水稲荷の境内に作ったもので、
これがきっかけで、
江戸市中のあちこちに、
新富士を築くのが流行ったと言われます。

f0186852_22102034.jpg
江戸の夏は、今でいう「エンターテイメント」が、
たくさんあって、
多くは信仰に関連するものですが、
自分の足で歩いて(船もあるけど)行って見た
「それ」らは、どんなにか感激だったでしょうね。





                  右は鉄砲洲稲荷の富士塚







[PR]
by edo-ukiyo-doll | 2012-07-20 16:43 | 江戸歳時記 | Comments(0)

夏の物売り。「のどをうるおす」水菓子売り

「水菓子」といっても、スイーツのことではなく、フルーツのことです。
いまでも、茶の湯では水菓子といっていますし、料亭などでもそういっていますね。

さて、江戸では夏になりますと、道端でこの「水菓子売り」が、店を広げます。

f0186852_1025494.jpg





盤台桶や籠などに、西瓜、真桑瓜、桃などを積み並べ、
西瓜は切って赤い色と、
甘みがあるところを見せますし、
真桑は皮を剥いて四ツ割りにし、
桃には水を打って夏桃のうつくしさを演出して売ります。
てなことを、明治時代に江戸の風俗として書かれています



冷たいわけではないし、現代の果物のように、
とっても甘いわけでもないのですが、
水分が多くほのかな甘さでも、江戸の人々には、
どんなにかおいしく感じられたことでしょう。
現代人は、冷たいもの、甘みの強いものに慣れ過ぎてますね。

f0186852_1736317.jpg


f0186852_1736332.jpg








     この西瓜は暗緑色に筋が入っています。
     割り方も、横割り!
     真桑瓜や桃も並んでいますね









ろうそくを立てて、
西瓜を切り売りしているおいちゃん。
一服つけるとこです。
盤台桶を逆さにして、上に西瓜並べてます





なかでも西瓜は一番人気。
原産地は南アフリカのカラハリ砂漠あたりらしいです。
砂漠で西瓜? 西瓜も生き延びるために、水分蓄えたのね。
もちろんその原種からどんどん変化し、私たちの知っている西瓜になったのでしょうけど。


エジプトでは紀元前何千年も前にすでに、西瓜があったらしいですし、
11世紀ころには中国に伝わっています。
中国では西から来た瓜というので、西瓜(シイグワ)と呼んだのだとか。
日本には天正7年(1579年)に、長崎に持ち込まれたのが最初とか、
17世紀半ばに隠元禅師が中国から持ってきたなどいわれますが、
平安時代にはすでに伝わっていたらしいです。

f0186852_17412312.jpg

それはさておき、江戸時代の西瓜は、現代のようにシマシマでなく、
全体が黒っぽい緑色のまん丸なものが多いようです。

f0186852_17415912.jpg



元禄のころ(1700年前後)には、日本各地でそれぞれに改良がなされ、
さまざまな種類が作られていたようですが、
江戸近郊の大森羽田、北沢、世田谷、八王子、亀戸などで栽培され、
水路などで江戸市中に運ばれ、市場へ届きます。


それほど甘みはなく、出回った初めのころは、
下世話な食べ物とされていましたが、
果実をすくい取って、砂糖をかけ、しばらくおいてから食べるなど、
高級な食べ方もされるようになりました。

f0186852_107145.jpg






  でも、働くおいちゃんたちは、
    こんなところでムシャムシャ、
   ガブガブ食べてたのね!
   証拠の皮が残ってますよ。
   西瓜が江戸では、気軽に買える
    人気の食べ物だってわかりますね




ちなみに西瓜は漢方では種も皮もよく使われ、
皮はコレステロールの減少、血管拡張の働きがあるとされます。
また、果汁は利尿効果が高いので、「スイカ糖」は腎臓の薬として用いられるとか。
夏のむくみでお医者さんに行ったら、
スイカはカリウムが多いので、むくみをとる効果がありますよ、
と勧められ、以降、夏の朝には一切れいただきます。






・・・058.gif
[PR]
by edo-ukiyo-doll | 2012-07-12 18:20 | 江戸歳時記 | Comments(0)

七夕の食べ物

七夕は今年も雨のようですね。
といっても、梅雨のシーズンに七夕を、というのですから、
仕方ありませんね。
ほんとうの七夕は秋の行事で、今年は8月24日ですから、
織姫と彦星のデートをごらんになりたい方は、
ぜひ、この日に夜空に目を凝らしてくださいね。

f0186852_23342689.jpg

さて、江戸時代の七夕は、京の貴族の行事を踏襲したものなので、
七夕の日には、将軍の江戸城はもとより、
諸藩でも家臣は礼服をまとい、ご祝儀の挨拶に行きます。

七夕には、何か特別なものを召し上がりますか?
江戸時代には、素麺(そうめん)をいただきます。
夏の終わりに素麺・・・健康のためではなく、
中国の故事に由来しているようです。

f0186852_2335915.jpg

奈良時代に、中国から日本に、
「索餅(さくべえ)」というお菓子が渡来しました。
別名、「むぎなわ」ともいわれていますが、
小麦粉と米粉をミックスしたのに塩を入れ、
縄のようにねじって作ったものらしいです。
それが時代が進むと、柔らかいうちに伸ばして、
包丁で細く切ったものに変化したらしいのです。

これがなんで七夕に?
中国の伝説に、
王の子が7月7日になくなったのですが、
成仏できなかったのか、
この子の霊が人々に「おこり」
という病気をもたらしました。
そこで、この子が好きだった索餅を作ってお供えし、
霊は去っていったといわれます。


f0186852_23353766.jpg




      
 笹竹に短冊などを飾るのは、
        江戸時代になってからの風習。
        7月6日にこの画のように、
        物干し台の手すりなどに
        くくりつけて飾ります。
        それで、江戸の七夕は、
        笹竹で空が覆われるようだ
        と言われます。





この索餅というお菓子が、素麺の元になったとも言われ、
お公家さんはもとより、江戸時代には将軍から庶民まで、
七夕には素麺を食べることになったのです。
食べるだけでなく、七夕はお祝いの日ですから、
上司や親戚咽にもご挨拶に行きますが、
たいてい素麺や水菓子(果物)を持っていきます。


明日は、素麺食べようっかな~003.gif









・・・
[PR]
by edo-ukiyo-doll | 2012-07-06 18:18 | 江戸歳時記 | Comments(0)


「江戸浮世人形」人形師・岩下深雪の江戸はここにあり       ホームページ開設 http://edoukiyoningyo.edo-jidai.com


by edo-ukiyo-doll

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
ごあいさつ申し上げます
「江戸浮世人形」
いろんなお知らせ
江戸の文様・江戸の色
江戸歳時記
浮世絵・絵師
江戸の女性たち
江戸の食べ物
ご報告など
江戸の子どもたち
my favorite
江戸ぐらし
江戸の町
ほかの制作物
江戸の園芸
都市伝説
江戸の旅
ああでもねえこうでもねえ

最新の記事

朝顔売りがやってくる朝
at 2017-08-16 12:52
吉原の桜
at 2017-04-21 11:43
「天下祭」の山王社
at 2017-03-10 18:00
大網茶話会が終わって
at 2017-02-15 11:01
第18回「江戸茶話会」のお知..
at 2017-01-12 18:52

以前の記事

2017年 08月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 03月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 06月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 01月
2008年 10月
2008年 09月

お気に入りブログ

一日一膳
 フランス生活便り
ハッピー☆バレリーナ!
江戸・東京ときどきロンドン
☆ねこにはかなわぬ☆
ナチュール blog
イギリス ウェールズの自...
ミネキク はんこノート
いつものごはん
倫敦のハムステッド・ヒースから
NO ANCHOVY, ...
手作りな暮らし Atel...
フレンチシックな家作り。...
Art Lesson
イヌ ト ゴハン ト ザッカ。

最新のコメント

田中様 房総半島に『江..
by edo-ukiyo-doll at 21:17
河田さま。 お返事..
by edo-ukiyo-doll at 16:06
はじめまして。 陶芸家..
by 河田義之 at 11:41
東雲さま。 ようこ..
by edo-ukiyo-doll at 18:18
本年もよろしくお願いいた..
by 東雲稲荷 at 16:44
rarirurareiさ..
by edo-ukiyo-doll at 11:38
rarirurareiさ..
by edo-ukiyo-doll at 11:36
現在、放たれた「鶏の群れ..
by rarirurarei at 12:13
鷲大明神社へ、毎年、農民..
by rarirurarei at 11:52
山中様 ながらくこ..
by edo-ukiyo-doll at 09:30

記事ランキング

検索

タグ

ファン

画像一覧