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雪見としゃれる


今年は立春に雪となり、そして週末にまた大雪となりました。
雪に慣れていない東京では、
気象庁から外出は控えてくださいというお達しも。



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山谷堀へ雪見に向かう人々

さて、江戸の頃は、江戸でも結構雪が降ったようで、
雪の浮世絵もたくさんあります。

「いざさらば 雪見にころぶ ところまで」
芭蕉の句ですが、
これは、一面の雪に、
「さあさあ、こんなに(さあらば)雪が降ったなら、雪見に行きましょうか。
雪で転んでしまうあたりまで、どこまでも」
それほどの気持ちではないかと思います。

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「雪月花」で、月見や花見があるならば、
雪見があってしかるべき、とも思うのですが、
現代では雪見などする人はあまりみかけません。

雪を愛でることは、
江戸の風流な人々にはこの上なく、
趣のある行楽だったようで、
家のこたつから雪見としゃれ込む人もいれば、
船で雪の景勝地へ出かける人もいます。


     隅田川には船。雪の待乳山(まっちやま)が素晴らしい。




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「木母寺(もくぼじ・向島にある)雪見」というタイトルの付いた広重の描いた雪景色。
高名料亭の「植木屋」の船着場です。



現代の、すっかりビルディング群に囲まれてしまった景色では、
たとえ雪がそれらを覆ったところで、
あまり景色もよくはないですしね。

でも江戸の頃は雪は、また別の美しい景色を生み出し、
人々には、時間もまた心にも、たっぷりとゆとりがあったので、
こうやって雪の風情を楽しむことができたのかもしれません。











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by edo-ukiyo-doll | 2014-02-08 17:35 | 江戸歳時記 | Comments(0)

藤の花


今年は天候が不順で、寒い春・・・と思っていたら、
もしかして藤? と、見えづらくなった目にも、
淡い紫の房が見えた。
ここ何日かの暖かさで、一気に花の色も濃くなったようだ。
ちょっと郊外で、すばらしい山藤も見た。


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今年新たに発見した藤棚。
駐車場の横で、誰も鑑賞しないらしいが、みごとに咲いている。



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恋しければ形見にせむとわが屋戸に
植えし藤波いま咲きにけり

とは山部赤人の歌。
風に揺れる長い花房を
「藤波」とよんだという。
平安時代には、
貴族の愛でる花のひとつで、
「藤見の宴」が
盛んに行われていたらしい。
『枕草子』では
「松にかかる藤の花」を、
めでたきものとしている。






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江戸の藤といえば、亀戸天神だ。
ただし、今の藤は昭和30年頃から植え始めたものだとか。
ここも東京の下町。
東京大空襲で、社殿も藤棚も、ことごとく焼失した。
今私たちが見ているのは、地元の人々が元通りに復興したものだ。
花房はもとは3尺くらいの長さがあったが、
もとの長さの半分くらいで、そこまでになるにはあと10年ほどかかるらしい。


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上は3枚つづりの浮世絵。
幕末頃の亀戸天神の藤見の様子。





歌舞伎の中で踊られる「藤娘」に使う大道具の藤は、
ビックリするくらい大きいが、
これは踊り手が小さく、華奢に見えるようにとの工夫。






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清長の描く亀戸天神の太鼓橋。
右手後ろに小僧さんが、こぼした蜆を拾っているが、
「業平蜆」は江戸名物の一で、亀戸天神内で売られているもの。





藤は日本各地に野生として生育する。
花はきれいだが、蔓は夏山に入ると実に厄介で、
それこそ鉈で断ち切りながら、進まなければならなくなる。

     よそに見て帰らむ人に藤の花
            這ひまつはれよ枝は折るとも

これは『古今和歌集』の僧正遍照の歌だが、
遠くから見るだけで私のとこによってかないって言うんなら、
藤の花の蔓よ、這いまつわってからめとっておくれ、
ポキンと折れちまったって、かまやしないわ。
かくのごとく藤の蔓は強く、女もまた強し。


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芭蕉ならこうひねる。

      草臥(くたぶ)れて 宿かる頃や 藤の花

なんと優雅な宿だろう、藤の花やどとは。

















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by edo-ukiyo-doll | 2010-05-09 10:45 | 江戸の園芸 | Comments(0)