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雁の伝説

「雁が渡って行く」
なんとうつくしい言葉だろうかと、いまさらながら思うのだが、
雁が渡っていく空を、久しく見たことがない。
子どものころは故郷の津軽で、
鍵(「く」の字型)になって飛んでいるのを見たのだったが・・・・。


日本に渡ってくる雁はシベリアで繁殖し、
秋になると日本で越冬するために、やってくる。
そして春にはまたシベリアへと帰っていく。
「初雁」は最初に渡ってくる雁で、秋を告げるものとされる。

浮世絵には、雁が描かれたものがたくさんある。


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手元にはないが、本郷の月を背景にして、3美女が並ぶそこに、雁行が描かれている画がある。
たしかに江戸では、フツーに雁が渡ってきていたのだ。
江戸でさえ見られた雁・・・・。
では、いったい、雁たちはどうなってしまったのか?
古来より、雁は鴨などと同様に、狩の対象とされていたが、
1971年には、全国で数千羽まで減少し、狩猟は禁止。
マガンやヒシクイといった雁の類は、準絶滅危惧種となったという。
なるほど、なかなか雁を見ないのも、無理はなかったのね。



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津軽の北のほう、北海道の函館に近い、外ケ浦という海辺には、
「雁風呂」という言い伝えがあるそうだ。

雁たちは北から渡ってくるときに、枝をくわえて持ってくる。
疲れたら、海の上にそれを浮かべて休む。
津軽の浜に到着すると、雁たちは枝を浜辺に置き、
春になってまた北に帰るときに、浜に置いた枝を持って行く。
帰る時期を過ぎても浜に残った枝は、
冬にあえなくこの世を去った雁のもの。

帰れなくなった雁たちの供養のため、
村人たちは残された枝を集め、風呂を焚く。



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江戸の人たちはそんな伝説を知っていただろうか・・・・。
雁を描いた絵師たちの心には、
きっと同じようななにか、
渡るその姿に、哀愁のようななにかを感じていたのかもしれない。





















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by edo-ukiyo-doll | 2013-11-07 11:47 | 江戸歳時記 | Comments(0)