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目黒の筍

今年は桜の開花が早かったけれど、何だかその後が肌寒い。
桜が終われば、待ってました! 筍(たけのこ)の到来。
毎年、紀州から早々と送っていただくのだが、筍好きなのでたまりまへん!

さて、目黒といえば「さんま」ですが、
江戸時代ならもう一つ、筍。
『鬼平犯科帳』にも、桐屋の黒飴同様、
しきりと目黒の筍が出てきます。



                                  下は目黒の飴の代表格の見世「桐屋」
目黒の筍_f0186852_07343895.jpg
筍の原産地は中国の江南省で、
そこから琉球を経て、島津藩に伝わったらしい。
寛政元年(1789年)に、
山路次兵衛なる人物が薩摩から持ち帰り、
戸越の自邸に植えたところよく育ったとか。
そこで彼は目黒不動尊門前の茶飯屋と共同で、
筍飯を考案して提供したところ、
一躍目黒の名物となったといいます。
     

   
江戸の人々は「初物を食うと75日、長生きする」
とか言っちゃって、
とにかく初物に熱狂しました。
かつおだけではありませんで、
茄子も豆も筍も、もうあらゆる季節物は、
初物だったらバカみたいな高値で売れていっちゃいます。
キャビアが高いとかマグロが高いのと、ワケが違う。
だって、初物は1ヶ月もすれば、
ごくフツーの値段になっちゃうのだから。


あまり初物にとち狂って値段が高騰するものだから、
幕府は初物などの売り出し期間を制限するなど、
あの手この手で、市場価格を安定させようと、
一応努力はしていました。
でも効き目は、ない。
いっとき、止んでも、またぞろ初物ブレイクです。
だって、江戸っ子ですもの。
お上なんざあ、こわかねいやい!
ってなもんでしょうなあ。

目黒の筍_f0186852_07362467.jpg
               ↑豊広・豊国画


「筍羹」しゅんかん、と読みます。
江戸時代1674年に出版された『江戸料理集』の中の筍料理。
ゆでた筍をタテ半分に切り、軸部分をくりぬく。
くりぬいて取れた部分は乱切りにして、
きくらげ、しいたけなどをかつおだし、しょうゆ、みりんで濃い目に煮る。
汁気を切って冷ましたら、魚か海老のすり身と合わせ、
筍に詰めて蒸す。これを切って、木の芽を添えて出す。
どなたか作って、ぜひご感想を!
なんなら、クール便で送ってくださっても・・・・・にゃは!



そうそう、それで今、目黒の筍林、
じゃなかった竹林はどうなっているかと言うと、
昭和になってすっかり廃れたそうです。
噂によると目黒区に2箇所だけ竹林が残っている
と言うのですが、目撃情報をお寄せください
堂泥山他力本願寺派の私でございます(^^;)へへへ。
















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by edo-ukiyo-doll | 2013-04-19 11:08 | 江戸の食べ物