わが故郷・青森県の津軽地方では、
おせち料理よりも、大晦日の「お年越し」のほうが大事な行事で、
お年越し(大晦日)の夕方4時頃には、
お膳が次々運ばれ、いつもの茶の間ではなく、
座敷にお膳を並べます。
もちろんそれまでに、おせち料理を全部お重につめ終わり、
年越し蕎麦の準備も万端にします。
ちょっといい服に着替えたりして
身なりも整え、
5時には「お年越し」大イベントが
始まるというわけです。
このときは三の膳まで整え、
これでもかとばかりに、
大皿料理までついて、座敷中、
料理だらけ状態です。
当然、一晩で食べきれるものではなく、
元旦にもこのお膳が登場し、
おせちの入ったお重が中央にすえられ、
お屠蘇や雑煮は出されますが、どこの家でも、
前夜のお年越しのご馳走を食べます。
子どもの頃には、大晦日に神様が来るというので、
家中の戸障子をいったん開け放っていたような記憶があります。
同じ「津軽」でも、内陸部では、
「山の神様」を呼び込むために、
座敷の隅にお膳を据えたらしいです。
これは疱瘡や麻疹の神様と同様、忌むべき神様で、
ご馳走を召し上がっていただいたら、その夜のうちに、
サッサとお帰りいただくのだとか。
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